3.転倒しがちなPSP患者のために,屋内を安全にするにはどうすればよいでしょうか?

するどい角や縁のあるものを,とくによく歩く場所から,どけてください。どうしてもどけられない部分のためには,まず小さな泡のついた梱包材を購入してください(引っ越しセンターなどで手に入ります)。それを帯状に切り,丈夫なクラフトテープ(ガムテープ)などで貼り付ければ,もしも転倒したときの衝撃を和らげられます。見た目はよろしくないですが,安全第1です。
PSPの方が使う浴室には,手すりを取り付けてください。シャワーや浴槽の手すりは,とても大切です。トイレにも,いくつか配置するとよいでしょう。
階段の降り口には柵をつけてください。廊下にも,手すりをつけてください。
床から天井へ垂直な手すりをつけると,PSP患者が椅子やベッドで起き上がったり,座ったりするのに便利です。インターネット上では,http://www.healthcraftproducts.com(これは英語のホームページです)などで手に入ります。値段はおよそ200ドルです。または,大工さんに頼んでもよいでしょう。
リフトチェアは,多くのPSP患者にとって必要となります。リフトチェアを使うと,椅子に座ったり立ったりすることができ,快適です。これらのものは介護用品店や家具屋さんで見つけることができます。

まとめると,
・浴室,トイレの壁に手すりをつける
・椅子やベッドから立ち上がるための垂直の手すりをつける
・床から障害物をとりのぞく
・テーブルなどのカドを梱包材やテープで柔らかく包む
・段差のあるところを黄色や赤のペンキかテープで目立たせる
・倒れにくく,また座ったとき柔らかいような,クッションの厚い椅子を使う

ただし結局のところ,上記のいずれにしてもPSP患者がひとりで安全に動き回れるようになるというわけではありません。患者さんは,たとえ自分でも無理があると分かっていても,動くことができる限り歩こうとして,結局安全な環境であっても転倒してしまうものなのです。
(2000.4.18 作成)