CBD(大脳皮質基底核変性症)とは

大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration:CBD)は、脳のあちこちの場所の神経細胞が徐々に脱落しその部分が痩せていく(萎縮する)、また神経細胞に異常な蛋白(リン酸化タウ)が蓄積するために発症する病気です。大脳の表面に在る大脳皮質と脳の深いところにある基底核という構造、特に淡蒼球と黒質が必ず侵されます。40歳以降に発病し進行します。男女比はほぼ同数です。

体の硬さ・動きにくさ、体のぴくつき、手足が思うように動かない、障害された手足の感覚障害などの自覚症状で発症します。始めはこれらの症状が様々な組み合わせで、体の片側だけにみられます。これは、症状の有る手足と反対側の基底核が侵されたために出てくる症状です。進行しますと症状は次第に体の両側に広がり、転びやすいなどの症状が現れます。両側に症状が広がった時期になると、体を動かすことが困難で、同じ姿勢を続けていることが多くなります。同時に食物の飲み込みが悪く、呂律がまわらず、歩行などがしにくくなってきます。やり方や手順がわからなくなり、それまで使っていた電化製品や道具が使えなくなり動作がぎこちなくなったり(失行)、言葉が思うように出なくなったり(失語)、片方の空間に在る物を見落としてしまう(半側空間無視)症状が出現します。腕を持ち上げたり動かすときに素早いぴくつき( ミオクローヌス )や手足に持続的に力 が入ってしまう(ジストニア)症状が現れる人もいます。また、認知症が現れることも少なくありません。

CBDは臨床的に典型でない例も多く、臨床診断が困難な例が少なくないため、正確な頻度は不明ですが、日本では人口10万人当たり2~8名程度のまれな病気と思われます。

(『大脳皮質基底核変性症(CBD)診療とケアマニュアルVer.2』『難病情報センターホームページ』を参考に作成)

 

詳しい説明は以下をご覧ください。

冊子類

下記の冊子は、ダウンロードしてご覧になることができます。また、入会された方には送付いたします。

  1. 『大脳皮質基底核変性症(CBD)診療とケアマニュアルVer.2』
    「神経変性疾患領域における基盤的調査研究」班作成、2017年(H29)3月発行
    Download


  2. 『自宅で転ばないために-神経疾患患者さんと介護者のための転倒防止マニュアル』
     「政策医療ネットワークを基盤にした神経疾患の総合的研究」班作成、2006年3月発行


参考サイト

難病情報センター 大脳皮質基底核変性症(指定難病7)

https://www.nanbyou.or.jp/entry/142