PSP(進行性核上性麻痺)とは

進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy: PSP)は、中年期以降に発症し、脳の中で大脳基底核、脳幹、小脳といった部分の神経細胞が徐々に減って、転びやすい、眼の動きが悪く下を見ようとしてもうまくできない、しゃべりにくい、飲み込みが悪い、認知症といった症状がみられる病気です。

初期にパーキンソン病とよく似た動作緩慢や歩行障害などがみられて区別がつきにくいこともありますが、パーキンソン病治療薬があまり効かず、効いた場合も一時的のことが多く、経過がより早く進む傾向があります。

発症の原因は不明で、男性に多く発症します。

日常生活では、転倒予防が大事です。そばにあるものを取ろうとして手を伸ばした拍子に転んだり、不安定なものにも体重を掛けて体を支えようとして転んだりしますので、注意が必要です。注意力や危険に対する認知力が低下するため、何度注意を促しても転倒を繰り返すこともあります。また、一見無動にみても突然立ち上がったり、突発的な行動を起こすことがあるので注意が必要です。

嚥下障害は発症中期以降に出現することが多いですが、その際は状態に応じて食事形態を変更します。飲み込まないでどんどん口に詰め込んでしまう場合は、声掛けも必要です。水分でむせる場合にはとろみをつけたりします。経口摂取ができなくなったら、経管栄養食を併用したり、経管栄養に切り替えて鼻腔栄養や胃瘻からの栄養補給(腹壁から直接胃の中にチューブを入れる)を行ったりします。

(『進行性核上性麻痺(PSP)診療とケアマニュアルVer.4』『難病情報センターホームページ』を参考に作成)

詳しい説明は以下をご覧ください。

冊子類

下記の冊子は、ダウンロードしてご覧になることができます。また、入会された方には送付いたします。

  1. 『進行性核上性麻痺(PSP)診療とケアマニュアルVer.4』
    「神経変性疾患領域における基盤的調査研究」班作成、第4版2017年(H29)3月発行
    Download

  2. 『自宅で転ばないために-神経疾患患者さんと介護者のための転倒防止マニュアル』
     「政策医療ネットワークを基盤にした神経疾患の総合的研究」班作成、2006年3月発行


参考サイト

難病情報センター 進行性核上性麻痺(指定難病5)

https://www.nanbyou.or.jp/entry/4114